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テクノロジーを活用した新たなコーチングとは?

テクノロジーを活用した新たなコーチングとは?

多くの企業が人材開発の一手法として取り入れている「コーチング」。コロナ禍でのリモートワークの浸透、コミュニケーションのデジタル化によって、ますますその有用性が注目されています。コーチングは対面でのコミュニケーションが基本ですが、昨今はAIなどのテクノロジーを活用することで従来のスタイルよりも科学的、効果的に進化しつつあります。今回は、デジタルツールを活用した新しいコーチングのスタイルを紹介します。

コロナ禍で高まるコーチングのニーズ

これまで企業が人材育成にコーチングを取り入れてきた主な理由は以下の2つです。
(1)価値観の多様化による、社員の抱える個別課題に対応
時代や社会環境の変化に伴い、社員の価値観は昔よりかなり多様化しました。また、変化の速いビジネス環境下で社員が直面する課題の個別性、複雑性も高くなってきましたが、コーチングはコーチが対象者の業務に詳しくなくとも傾聴と適切な質問で相手に気づき・行動変容を促せる手法なので、一人ひとりをオリジナルな解決策に導く効果がありました。
また、課題解決にまでは至らずとも心理状態や悩みを聞いてあげることでメンタルの安定につながるなど、ソフトランディング的効果もあったと言えるでしょう。

(2)経験学習の効果
不確実で複雑性が高く、変化のスピードが速いビジネス環境に対応するには、業務のなかで「経験→省察→概念化→実践」といった経験学習のサイクルを効果的に回すことが大切です。コーチングならコーチが第三者の立場から個人の省察や行動実践などを促すことができます。例えば、経営幹部向のエグゼクティブコーチングなら、自己認識力が高くなることによるマネジメント力向上や、より高い視座を持つことによる戦略構築力の強化が期待できました。

一般社員のコーチングなら、まったく自分で考える習慣のないいわゆる指示待ち社員も、コーチングを重ねることで自分の行動に自覚的になり、自主性と行動力を増していく効果があります。

直近ではリモートワークの普及によるコミュニケーション上の課題の解決手段としても期待されています。SNSやチャットでは「テキストでは怒っているように見えたが大丈夫だった」といった余計な誤解、違和感が生まれています。このようなコミュニケーションのギャップを解消するのにも有効だと言えるでしょう。

コーチングとテクノロジー

コーチングは手法として有効であることは間違いないですが、現実には上司は忙しいためコーチングの頻度は少なく次のコーチングまでの時間も長くなりがちです。人事がそういった状況で費用対効果を見た際に価値観の多様化により一人ひとりに適切な解決策を提示すること自体が難しい面もあります。そこで、注目されているのが先端テクノロジーを活用したコーチングです。コーチングには以下のメリットがあります。

◆対象者側
・面談と面談の合間もコーチの協力が得られる
・アセスメントとAIの分析で自分のレベル・課題に適したコーチを受けることができる
・目標に紐づくエビデンスに基づいたコーチを受けることが可能

◆コーチ側
・面談と面談の間でも対象者に「一口サイズ」のアクションができる
・対象者のレベル・課題にあった実践的な提案ができる  
・システムで一元管理できるため成長の遅い対象者を把握しやすい

デジタルツールで革新的なコーチングへ

米国の「HR Technology Conference & Expo 2019」の『Pitchfest(スタートアップ企業コンテスト)』において、コーチングをサポートするデジタルツール『PILOT』が優勝しました。個々の社員のキャリアをデザインし、社員が自発的に成長できる環境を整えられる点が評価のポイントです。
PILOTを活用すれば、スマホやPCを利用して週に10~15分のコーチングが可能です。AIがコーチング結果を分析し次回以降のコーチングに反映するため、コーチング精度も向上します。コーチ側も業務負荷が減り人に向き合うことに集中できるなど、コーチをする側、受ける側ともメリットがあるシステムです。

まとめ

テクノロジーの進化、リモートワークの普及などを背景にコーチングの形も変化しつつあります。AI搭載のデジタルツールを活用したコーチングなら、社員に対し精度の高いコーチングを時間は短く頻度を増やして提供することが可能です。学習効果、成長意欲を高めるだけでなく、リモートワークで発生するコミュニケーションのギャップを解消し、社員のパフォーマンスが高まる効果も期待できるでしょう。また、コスト削減にもつながります。

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