コラム 2024年4月18日 「社員のモチベーション」にどう付き合っていけばいいのか 最近は社員のエンゲージメントを高めるための施策が重要と叫ばれるようになりましたが、類似した言葉に「モチベーション」があります。 もともと、仕事の意欲向上には遠方に旅行も兼ねた研修が効果的。この意欲向上のことをモチベーションと呼ぶ。このように定義したのはJTBであったと言われています。始まりは1990年代。それから、あちこちでつかわれるようになって、定着していきました。 そんなモチベーションの類似した言葉としてエンゲージメントに注目が集まっています。このモチベーションはエンゲージメントと何が違うのか?さらにモチベーションについて、企業はどのように付き合っていったらいいのか? 一緒に考えていきたいと思います。 エンゲージメント モチベーション
コラム 2024年3月28日 メンター制度の重要性 ~社員定着と企業の成長を支える鍵~ 昨今、若手社員の早期定着や成長促進、離職防止、企業理念・風土の伝承といった観点から、『メンター制度』が注目され、導入の効果が期待されています。メンター制度とは、所属部署の管理職や上司とは別に、先輩社員(メンター)が後輩社員(メンティー)をサポートする仕組みのことで、効果的に運用すれば、若手社員の育成だけでなく、風土の改善を通じて企業の成長につなげることも可能になります。そこで本記事では、メンター制度の重要性や導入のポイントなどを解説します。 1on1 コーチング コミュニケーション メンター モチベーション 人材マネジメント 組織風土 離職率
コラム 2024年3月18日 企業の採用活動にゴールデンタイムはやってこない ~続く売り手市場で勝者となる道~ 現在は転職が売り手市場になっていると言われます。採用企業より転職希望者の方が少なく、転職希望者が優位に立っている状況です。有効求人倍率が1.0を超えているのが目安とされています。今回は、日本企業の採用活動のトレンドについて過去の経緯を踏まえながら考えたいと思います。 採用 採用マーケティング
コラム 2024年2月21日 残業減で注目される「越境学習」 学びの機運を高めるには 日本の企業の月間平均残業時間は、2012年の46時間と比較して22時間減り、24時間とされています。有給消化率も大幅に改善して41%から60%。働き方改革が叫ばれ始めた2014年から改善は進み、なかでも20代の残業・有休消化は劇的に改善したとのことです(オープンワーク株式会社「働きがい研究所」2021年12月16日調査レポートより)。2000年代前半と比較すれば隔世の感がありますが、会社に縛られる時間が減ったことで、自由に使える時間を活用して社員自らが自己研鑽をする意欲は高まっているのでしょうか。 ここでは、政府が推進するリカレント教育の一環で、終身雇用が崩壊するなかで定年延長に対処するには必須とされている「越境学習」について、企業での機運の高め方を考察します。 リカレント教育 人材開発 生産性向上
コラム 2024年1月22日 HR Tech Conference & Expo 2023より 人事データ分析に対する日米の違いと、日本の人事データ活用のこれから 2023年10月11日~13日の3日間にわたって、ラスベガスで『HR Technology Conference and Exposition 2023』が開催されました。これは毎年1回開かれるHRテクノロジーをテーマとした世界最大級のイベントで、大手からスタートアップまで、グローバルに展開するHR Tech企業が自社のブースを出展し、ツールのデモの実演や紹介などを行います。今回は米国企業を中心に450以上の企業が出展し、世界各地から延べ10,000人以上が参加しました。 セレブレインでは今回、関将宏と高野汐音が初めてカンファレンスに参加しました。私たちは、海外(主に米国)においてAIの活用も含め、人事データの分析が積極的に活用可能となっている動向を目の当たりにし、日本との大きな違いを実感しました。そこで今回は、海外のツールに実装されているデータ分析機能の特徴や日本との違いを紹介したうえで、人事領域におけるデータ分析が【会社で働く個人】【会社全体】それぞれに対して具体的にどのように活用されるようになってきているのかをお伝えしたいと思います。 HRテクノロジー タレントマネジメント ピープルアナリティクス 生産性向上
コラム 2024年1月09日 新規事業を生み出すフレームワーク~人事と経営の視点から 新規事業のプランを考えて、事業化する。新たな成長機会を創出したいと考えない企業はありません。ただ、その意欲がどれだけ高いか? 既存事業が順調に成長していると、危機感が薄れて先送りにしてしまう場合もあるでしょう。ゆえに、本気で新規事業に取り組もうと考える企業は既存事業の閉塞感によるものが多いかもしれません。今回は、そうした新規事業の創出を人事と経営の視点から考えてみたいと思います。 リスクマネジメント 人事戦略 人材開発 生産性向上
コラム 2023年11月09日 キャリア自律が叫ばれる時代の到来をどのように捉えればいいのか? キャリア自律(Career Self-Reliance)とは、主体的に、価値観を理解し、仕事の意味を見出し、キャリア開発の目標と計画を描き、現在や将来の社会のニーズや変化を捉え、主体的に学び続け、キャリア開発することです。 近年、企業が「キャリア自律」という言葉をつかい、重要課題であるキャリア開発に取り組んでいくことを宣言するようになりました。例えば、日清食品ホールディングス社は公募ポストの年齢制限を撤廃して、50歳以上のシニア社員でも、新たに管理職へ挑戦できるようにしました。また、厚生労働省が自律的なキャリア形成支援の模範となる取り組みを行っている企業に対して表彰する『グッドキャリア企業アワード』の事例をみていくと、キャリア自律の支援が加速してきていることが分かります。 こうした動きは大きな転換の表れだと感じます。なぜなら、これまで企業は、「社内でキャリア自律を掲げることはリスクがある」と考えてきたからです。自分のキャリアについてあまり考えて来なかった人に考える機会を促せば、結果として離職する社員が増えてしまうかもしれません。いわばパンドラの箱だと考えていたのです。 実際、とある企業の人事部長も「組織に対する帰属意識が薄れ、離職者が増えるのではないか?」と考えて、キャリア自律を叫ぶことを長らく控えてきたと話してくれました。その企業は長年、新卒採用を中心に人材確保を行い、キャリアという概念を意識させず、会社や組織に忠誠心の高い人材を重宝してきました。「このシステムこそが成功体験なので壊したくない」、「リスクになることは排除したい」このように捉えてのことなのでしょう。しかし、そのような「キャリア自律=リスク」の認識はいまだ払拭されていないにも関わらず、企業主導でキャリア自律を促す動きが出てきました。それはなぜでしょうか?また、そのような時代の変化に対して、社員はどのように向き合えばいいのでしょうか? リスクマネジメント 人事戦略 人材開発 生産性向上
コラム 2019年4月16日 「学ぶ力」とは 研修は主催する側と受講する側の互いに異なる2つの立場の者が交わるコミュニケーションの場であり、双方のコミュニケーションの質を向上させることが、学びの質、つまり学習効果を上げるということを前回のコラムでお話ししました。そこでは研修を主催する側の能力の向上だけではなく、受講する側の「学ぶ力」を高めていくことが学習効果の向上や成果につながるということに触れましたが、今回はその具体的な例を述べましょう。
コラム 2019年2月25日 受講者マインドを醸成する あるお客様からお聞きした、課長昇格者向けのマネジメント系研修での話です。部下育成・評価をテーマにした講義の場面で、受講者から「〇〇について知らないから教えてほしい」という質問があったそうです(〇〇とは、管理職として理解が必要な人事制度の内容と思ってください)。その研修をオブザーブされていたお客様は、その質問の仕方に少々違和感を覚えたそうです。その受講者の質問の仕方も影響していると思われますが、自分は“知らない”ことが当然で、“教えて”もらうことが当たり前、という雰囲気がありありだったのです。知らないことを質問すること自体は何の問題もありません。ただ、その研修の受講対象者は、今後経営の一端をリーダーとして担っていくことを期待されている方々であったため、スタンスとしては、「知らないから教えてほしい」ではなく「分からないからぜひ知りたい」ではないのかと、お客様は受講者の”マインド”に大きな疑問を感じたようでした。
コラム 2019年1月31日 宮澤 恵一 ハッピーリタイアメントの形 60歳で定年退職したシニアAさんの話です。すでに子供たちは独立、家のローンも返済が終わり、退職後は長年の多忙な仕事から解放され、趣味の釣りを楽しみながら悠々自適な生活を送ろうと考えていました。 最初の内は新しい生活をエンジョイしていましたが、次第に趣味もマンネリ化、家にいても煙たがれるようになり、その結果、日中は近場の公園、図書館、ショッピングセンターなどをあてもなく回遊する日々を送っています。 定年時の退職金で老後の心配はないはずでしたが、年金を受領できるのはしばらく先で、毎日貯金が目減りしていく生活は、精神的にも大きなストレスとなっています。以前は大手メーカーの技術系管理職として活躍していましたが、現場の技術から遠ざかっていたため、新たに技術の仕事を探すには自信がなく、かといってまったく経験のない仕事にチャレンジする覚悟もできていません。当初思い描いていたハッピーリタイアメントからは程遠い状況に陥っています。