レポート 2019年10月15日 2019年 HR Technology Conference & Exposition in Las Vegas 現地レポート!(Part1) はじめまして。セレブレイン社のシリコンバレー駐在コンサルタントの小野孝太郎です。 1997年に始まった「HR Technology Conference & Exposition」は、今年で22回目を迎え、10月1日〜4日までの4日間、ラスベガスでの開催となりました。 HR テクノロジーに関する世界最大級のイベントとして、今年は450社以上の企業が出展し、201のセミナーやセッションが開催されました。初日は午後5時のEXPO会場のオープン前から写真のように大行列となっていました。 私は10月1日と2日の2日間参加してきました。現地の様子を二回に分けてお伝えします。なお、私は現職になる前はOracleのシリコンバレー本社でDatabaseの開発エンジニアを21年していました。HR業界は入って間もないですがエンジニア目線でレポートできればと思います。 まずPart1では二日目に行われた、HRTech業界では有名なJosh Bersin氏によるキーノートと”Hype Cycle”で有名なGartnerのRon Hanscome氏によるセッションについてレポートします。
レポート 2018年10月09日 現地レポート! 2018年のHR Technology Conference & Exposition in Las Vegas (第2回) セレブレイン社のカリフォルニア駐在マーケティング担当の中澤佳奈生です。 私が参加した今年の「HR Technology Conference & Exposition」の現地レポート(第1回)では、AI・HRアナリティクスとビックデータ&データサイエンスの分野が盛大であったことをご紹介しました。 今回の第2回レポートでは、私が現地で調査したAIソリューションのトレンドとして、AIエンジンを組み込むことでHRプロセスを対話型に進化させた製品とサービスが印象的でしたのでご紹介したいと思います。 中でも代表的なのは、チャットボット、Nudge(ナッジ)、Augmented Analytics(拡張分析)の三つのカテゴリーです。 チャットボットで先行しているMya、textrecruit、Zugataなどは、企業への応募者が仕事を探す際に、AIベースによるチャットで自動応答の仕組みを作ることによって、一人当たりの採用コストが400ドルから600ドル節約できたと報告しています。まだチャットボットとの対話には多少不自然さが残りますが、その進化は目を見張るものがあります。新しい求人ポジションのアナウンスや応募者からの質問に対する回答、応募要件のチェック、面接のスケジュール調整などの多くの時間とコストを必要としていた採用プロセスが、チャットボットやその他の新しいソリューションツールによって自動化されるようになってきました。 米国では失業率が過去最低の水準に近づいている事情もあり、リクルーティング市場は激しさを増しています。 その中でAIを活用したリクルーティング分野のHR Techが大きなビジネスチャンスとなっていることから、多くのスタートアップ企業がこの分野の製品でしのぎを削っています。 一方、従業員のパフォーマンスを改善するための行動を支援するNudge(ナッジ)ベースのシステムを構築するソフトウェアベンダーも数多く見受けられました。 Nudgeとは「ヒジで軽くつつく」という意味で、私たちをそっと正しい行動に向かわせてくれる手法のことを言います。企業にとっては、単に生産性を向上させるためではなく、従業員がWell-being(身体的、精神的に良好で幸せに感じる満たされた状態を意味する)を維持することで、より創造的で高い生産性を生み、離職率の低減にもつながることが期待できます。 私たちがWell-beingに向けたヘルスケア、睡眠、食事の改善などの行動を起こすことを支援するNudge(ナッジ)関連のソリューションでは、AMP-IT、Virgin Pulseなどのツールも多く出展されており、市場も成長しています。 職場での過剰なストレスや燃え尽き症候群を無くし、一人ひとりが健康を重視する意識と行動によりパフォーマンスを向上させるという考え方が浸透していくことは、企業で働く私たちにとっても幸福度のアップにつながっていくと思われます。 また今年は、ピープルアナリティクスが成熟期を迎えていると、強く感じました。この分野では「Augmented Analytics(拡張分析。データから機械学習の手法を活用して、人間の判断力や作業の支援をすることにより、人間の能力を拡張する)」という概念が取り入れられていることが一般的ですが、今回、個人的に関心があったのは、「Relationship Analytics(関係分析)」です。 Trendata、SplashBI、Chasmaなど、予測エンジンを搭載したセルフサービス型分析サービスを提供する企業が数多く出展しており、人事システムやタレントマネジメントなどからデータを収集・分析し、従業員に関する状況をダッシュボードで管理できるようになっていました。これらは、Rなどの統計解析用のプログラミング言語を使用して手動で分析するのではなく、あらかじめ分析機能が組み込まれているため、業務部門のユーザーが直接導入して活用しやすくなっています。IT部門がBIツールをユーザーに提供していたのは、つい数年前なのに、隔世の感がありますね。今後は、業務部門主導でデータを準備し、認識し、統計解析するといったAI・機械学習プロセスにおけるセルフサービス型ツールはあらゆる場面で活用され飛躍していく分野となるでしょう。 HR Techの領域では、日々新しいテクノロジーが生み出され、企業も人も新しい価値観と行動が求められていることを実感した「HR Technology Conference & Exposition」ラスベガスでの4日間でした。 今、セレブレイン社では、AI・機械学習時代のビジネスリーダーに欠かせない思考法である、日本初の「アナリテイカルシンキング」の実践型トレーニング1日コースを提供しています。ご関心をお持ちいただいた方はお問い合わせ下さい。