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多様な人材をまとめるリーダーの要素と組織を成功に導くチーム運営のステップ

多様な人材をまとめるリーダーの要素と組織を成功に導くチーム運営のステップ

働き方の多様化が進んでいくなか、正社員だけではなく非正規社員、フリーランス、インターンなどさまざまな雇用形態のメンバーを、目標達成に向けてマネジメントする機会が増えています。バックグラウンドはもちろん、個性や利害関係が異なるメンバーのチームで成果を上げるためには何が重要でしょうか? 今回はチーム運営を成功に導くために必要不可欠なステップとリーダー人材に求められるスキルを解説します。

マネジメントの観点で捉える、チーム運営に必要な人材とは

チーム運営を担うリーダーには、メンバー一人ひとりの能力を最大限に発揮させる力が必要です。チームワークを発揮できる環境を整え、メンバーの力量や個性を把握し、個々のモチベーションを高め、維持していくマネジメント力が問われます。

また、チームの目的である組織目標達成に向けて、メンバーを牽引する強いリーダーシップも必要です。チーム運営には「マネジメント力」と「リーダーシップ」を兼ね備え、チーム運営についての知識を持つ人材が求められます。

組織を成功に導くチーム運営、そのステップとポイント

組織を成功に導くチーム運営は、どのようなステップで実現できるのでしょうか?
ここではチーム運営のフレームワークの一つである「タックマンモデル」を紹介します。

アメリカの心理学者Bruce Tuckman氏は、チームの成熟段階を「形成期、混乱期、統一期、機能期、散会期」の5ステップに整理したうえで、混乱期や統一期をへて機能期に到達しなければ、チーム力は十分に発揮されないと述べています。

・形成期(Forming)
チームを形成していくステップ。メンバーの目標に対する理解が浅く、メンバー同士もお互いを詳しく知らないため、チーム内に緊張感がある時期です。このステップのマネジメントではビジョンの明示や目標の共有、アイスブレイクによるチーム内の緊張緩和、チーム活動の阻害要因の見極めが必要です。

・混乱期(Storming)
目標や課題へのアプローチ方法を模索するステップです。個々の経験や価値観の違いからメンバー間で意見が分かれ、チーム内に混乱が起きる時期でもあります。

このステップでは意見の衝突を避けてはいけません。メンバーが率直に意見をぶつけ合い、相互理解を深められるようなマネジメントを行うことで、チームの抱える課題が浮き彫りになり、その解決に取り組むことができるからです。

・統一期(Norming)
メンバー同士が相互理解を深め、チームが機能し始めるステップです。チームの行動規範や役割分担が明確になりメンバーのベクトルが揃います。このステップではメンバー間のコミュニケーションを促進させ、チーム活動によりドライブをかけるためにメンバー個々に主体的な行動を推進してもらうことが大切です。

・機能期(Performing)
メンバーが自律的に活動しながらお互いを自発的にサポートしあうステップです。チームが成果を生み出す時期を迎えます。チーム全体を俯瞰しながら、メンバーの活動を適時バックアップするマネジメントに注力します。

・散会期(Adjourning)
当初の予定期間の終了、半期や年度の終わりなどを機に、チームとしての活動を終えるステップです。最終的なチーム運営の成否が明らかになります。目標の達成状況だけでなく、メンバー間で感謝の声やチームの解散を惜しむ声が自発的に上がるかどうかも、チーム運営の成否を測る要素になります。

まとめ

組織が目標を達成するためには、多様な人材の能力を発揮できるチーム運営を行うことが必要です。成果を出すチーム運営には、ときに摩擦を恐れず相互理解を促進させるステップが不可欠です。また、各ステップで適切なマネジメントを実施できるリーダー人材が必要です。

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