人事制度に「モジュール型」を導入。組織のパフォーマンスを向上し、アジャイル人事も可能に
クライアント業種
小売・サービス会社
従業員数
約600名
支援内容:組織のパフォーマンス向上に向けた新しい人事制度の構築
企業導入への支援概要
全国に小売・飲食業態の店舗を展開している同業2社の統合によって誕生した同社。店舗で働く社員の「退職率の低減」と「継続的なモチベーション」の維持が大きな課題であった。そこで、「人事制度の刷新」を図り、「社員の専門性重視」と「目標の可視化」を両立。同時に目標管理を含めて評価制度を抜本的に刷新することで組織全体のパフォーマンス向上につなげた。
- Point1:
人事制度を「等級」「評価」「処遇」といった機能ごとにモジュール化。会社の状況に合わせてモジュール単位で調整できるようにし、全体最適を維持しつつ柔軟に変更可能とした。
- Point2:
「マネジメント力の等級」と「専門性の等級」を別々に設定し、運用する仕組みを導入。等級の基準が明確になったことで、店舗社員だけでなく本社社員のスキルも把握できるようになった。
- Point3:
企業の経営と社員の目指す方向を揃えるため、目標設定の統一基準である「職種別目標ディクショナリー」を作成。社員の意識と取り組みを前向きに変えるとともに、評価に関する上司の負荷を軽減した。
お客様の課題
従来の人事制度では「明確なキャリアパスが整備されていない」、「昇格できる要件が曖昧」なことから、社員は将来の選択肢が見えない状況でした。目標設定はプロセスが不明瞭で、「いつ」「何を」「どのように」頑張れば処遇向上につながるのかが不透明な状態でした。
また評価では、昇格するほど専門性よりマネジメント力が評価される傾向が強く、専門性を志向する社員のモチベーション低下につながっていました。処遇についても、「評価」と「昇給・賞与」との連携連動が不明確で、不信感を持つ従業員の存在も課題となっていました。
コンサルティングの内容と効果
経営層や人事部門、店舗で働く従業員のインタビューから、人事制度を抜本的に見直すことにしました。人事制度全般を設計するにあたり、「目標」「評価」「処遇」といった基準を明確化。これにより、従業員のモチベーションとパフォーマンスが向上し、人事マネジメントの効率も高まりました。
- アプローチ1: 環境に応じて最適化できる仕組みを構築
「等級制度」「評価制度」「処遇制度」など制度ごとにモジュール化し、会社の成長と業態の変化に合わせてモジュール単位で改善できるようにしました。これにより、制度全体を維持しながら柔軟に変化できる、「アジャイル人事」を実現する仕組みを構築しました。
- アプローチ2: 等級の仕組みを刷新して、社員の特性を可視化
等級制度では「マネジメント力の等級」と「専門性の等級」を別々に設定し、運用できる新たな仕組みを導入。職位が上がるとマネジメント力ばかりが評価される傾向をなくし、専門性を志向する社員のモチベーションを高めました。
また、それぞれの等級に明確な基準と昇格要件を定義。店舗従業員だけでなく本社従業員の専門性も把握できるようになり、人事マネジメントの有効なツールとなりました。
- アプローチ3:「職種別目標ディクショナリー」を導入しも目標を明確に
評価制度では、会社のビジョンや個人のキャリアにつながるよう上司とともに目標設定することが求められます。旧制度では従業員が個々に目標を設定したことから、ばらつきが大きく、すり合わせにも時間がかかっていました。
そこで、「職種別目標ディクショナリー」を作成。どんな基準で何が評価されるのか、処遇にはどのように反映されるのかといった基準を明確化。「何をすべきか」がクリアになり目標設定のばらつきを解消しました。
これらの施策から経営と社員の目指す方向のブレが無くなりました。また、処遇への反映基準を明確化。「何をすべきか」が明確になったことで、従業員の仕事に対するエンゲージメントが向上しました。前向きな取り組み姿勢は、組織全体のパフォーマンスを高め、業績にも好影響を及ぼしました。
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